ツベルクリンとBCGの制度が変わります

平成17年4月から時期および方法が変更になります。概要を原文のままお伝えします。

  1. ツベルクリン反応による不必要な予防内服等の弊害を避けるため、ツ反を行わずに定期の予防接種を行うこと。
  2. 結核の感染前にツ反をせずに直接BCGを接種し、乳幼児の重症結核を予防する観点から、接種時期を生後6ヶ月に達するまでに期間とすること。

    なお、以上において、経過措置は一切設けられていないので留意すること。
    (神医発第594号、神保保予第1821号)

お役所文章は読みにくいので解説を加えると

  1. これまでツベルクリン反応を行いその結果によってBCG接種を行っていたのを、ツベルクリン反応を行わずにそのままBCG接種を行う。
  2. 従来は生後3ヶ月から4歳までの間にツベルクリン反応とBCG接種を行っていたが、平成17年4月以降は生後3ヶ月から生後6ヶ月未満までに行い、以後の月齢の定期接種はしない。
  3. この決定は平成17年4月から行われ、平成17年3月までに月齢6ヶ月を越える者、もしくはすでに越えている者は必ずそれまでにBCGの接種を行うこと。平成17年4月以降になれば生後6ヶ月以降の定期接種としてのBCG接種は一切受付けない。

これでもわかりにくいですが、

「平成17年4月以降は生後3ヶ月から6ヶ月未満までの3ヶ月の間のみしかBCG接種は受付けない。現時点では4歳未満まで接種可能となっているが、まだしていないお子様は平成17年3月までに接種をしてしまいなさい。あとは受付けないからそう思え」

これを「各診療所において周知徹底指導せよ!」との伝達とともにきています。「指導」する上で当然湧いてくる疑問がいくつかあります。乳児のツベルクリン反応を廃止することは最近そのほうが望ましいとの報告が多数なされ、改善とであると考えていますが、しかしそれ以外にも疑問があり、神戸市保健所予防衛生課結核・感染症係に直接問い合わせてみました。(H.16.11.11付)以下質問と回答です。

質問1 平成17年3月までに6ヶ月未満でBCG接種の場合にもツベルクリン反応は必要か。

医学上矛盾するが、法律上しなければならないのでツベルクリン反応は行う。

質問2 いくら周知徹底すると言ってもやはり「知らなかった」人も出てくると考えるが、その場合の対処は。

平成17年4月以降は「希望」と言う事で任意で有料にて接種する。

質問3 新しい制度では接種期間が3ヶ月しかなく、その間に病気やその他やむをえない事情でBCG接種が出来なかった子供への対処は。

この場合も公費の予防接種の枠から離れ、「希望」として任意で有料で接種する。

えらく紋切り型の対応でしたが、H.17.3.17付の灘医発第159号として平成17年4月からの具体的な対応が公式に発表されました。

  1. ツベルクリン反応をせずに直接BCG接種を行います。
  2. 生後6ヶ月までに受けるようになり(神戸市では3ヶ月〜5ヶ月を望ましい接種期間としています)、4ヶ月健診時に同日接種します。
  3. 生後6ヶ月に至るまでに接種できなかった者のうち、生後12ヶ月に至るまで(11ヶ月まで)の者については神戸市の勧奨予防接種とし、公費負担で接種を行います。
  4. 生後1歳以上の者については特別勧奨予防接種とし、ツベルクリン反応を行った上で判断し、費用は有料となります。

H.16.11.11時点と較べてしごく妥当な対応になったと評価しても良いと考えます。ただし失笑を買うような一文が書かれていました。

BCG未接種の4歳未満のお子さんは3月中にツベルクリン反応とBCGをうけていただきます(他区での接種可能です)。

はて?まだBCG接種が残っている区がこの時点であったかしらん。