流行時期
夏が一番多いとなっていますが、実際の外来ではほぼ1年通じてみられます。
好発年齢
1〜2歳の低年齢層に多いとなっていますが、プール熱の言葉のとおり学童期にもしばしば流行します。
病原ウイルス
アデノウイルスが原因です。その中でも3型が中心で、1〜8型でもおこります。
体の中のウイルスの動き
ウイルスの結膜への侵入によりおこります。トリビア的な知識ですが、結膜に侵入したウイルスは咽頭に侵入して咽頭炎をおこしますが、これだけでは結膜炎をおこさないとなっています。結膜炎が発症するのは咽頭炎の部位から子供が指でウイルスを結膜に運んだためであるとなっています。
症状
潜伏期は5〜7日。突然の発熱から始まり、39℃まで上がる熱が4〜5日つづくとなっています。症状は病名の通り、咽頭痛と結膜炎様症状が出現します。ただし結膜炎は時に合併しないこともあり、そうなると診断は難しくなります。
重大な合併症
とくに大きな合併症の報告は無く、1週間から10日程度で軽快し、予後も良好となっています。
治療
とくに有効な治療薬は無く、発熱などに対する対症療法が主体となります。ただし他の細菌性の病気(とくに溶連菌感染症)との見分けは難しく、一般には抗生剤治療を行うことが多く、当院でもそうしています。結膜炎に対しても咽頭結膜熱にの結膜炎であったものが目をこすることにより二次性の細菌性結膜炎を合併することが多く、抗生剤の点眼薬を併用します。
小学校や幼稚園や保育所の出席停止基準は
正式には学校伝染病第2類に属し、停止基準は下記の通り明記されております。
「咽頭結膜熱については、主要症状が消退した後、2日が経過するまで」
治って2晩経つまでと解釈するまでと良いでしょう。