インフルエンザ検査の信用性は?

検査と治療薬の関係は微妙なものがあります。治療薬は発熱後、少しでも早い時期のほうが効果が高いとされています。ところが検査のほうは初期であればあるほど偽陰性(本当はインフルエンザなのに検査上は陰性)になる可能性が高くなります。とくに小児の場合、高熱を出す病気はインフルエンザ以外でも山ほどあり、症状だけで確実に診断することは私程度の腕ではとても無理です。
そのため検査が陰性であってもその後、高熱、頭痛、全身倦怠などのインフルエンザを疑わせる症状が強く出るようなら翌日にもう1回受診していただき、再検査をおすすめしています。
また家族の方や一緒に遊んでいたお友達がインフルエンザであって、かなりの確率でうつっている可能性が高いと考えられるお子様の検査が陰性であった場合、インフルエンザと他の疾患の場合のどちらでも対応できる処方をさせていただいています。
治療薬は発熱後12時間以内が理想的、24時間以内が十分有効、48時間を越えると効果に乏しいとなっていますので、たとえ午後から熱が出てきて夕方に受診し、検査が陰性であっても、翌朝であれば十分治療薬の効果が期待できるので上記のような方針で治療させていただいております。
頭が痛いのは厚生労働省の基本方針は「検査は1回にしろ!」らしいのです。つまり偽陰性を疑っての再検査は過剰検査として査定の対象になるのです。つまり早期に検査をしすぎるから偽陰性になるのであって、「一晩ぐらいしっかり苦しんでから検査をすれば確実♪」と言いたいような方針が医者に通達されています(はっきりとは書いていませんが)、一方で「発症してから48時間を越えたらタミフルは無効であるから投与は控えるように」は繰り返し通達がありますからこの矛盾への対応は本当に困ります。

余談です

当院は小児科ですが、お母様方やお父様方のインフルエンザぐらいなら検査治療させていただいております。その他、高血圧や糖尿病、高脂血症、神経症などは本職の内科の受診をお勧めしていますが、ふつうの「かぜ」であれば十分診療させていただいております。「子供の風邪がうつった!」との事があればお気軽にご相談ください。