ジスロマック細粒編

特徴

マクロライドというグループに属する抗生剤。マクロライド系の抗生剤は一般の病原菌はもとより、日常よく使われるセフェム系抗生剤では効果に乏しいマイコプラズマ肺炎やクラミジア肺炎と言った異型肺炎にも有効なお薬で、基本的に小児科医が好んで使う抗生剤です。
ただし共通する難点としましては、「苦くて、不味い」があります。その中でもジスロマックは飛び抜けてまずく、これを処方する時にはお母様方に「とっても不味いけど頑張って」との声援をしていないとなかなかのんでくれない代物です。救いは他の抗生剤が1日3回がほとんであるのに対し、1日1回でOKという特徴があるのですが、そんなメリットを吹き飛ばすぐらい不味いお薬です。

改善点

メーカー担当者が主張する改善点は、コーティーング剤の味をコーラ味(なぜコーラ味だったかの理由は不明)からオレンジ味とパイナップル味の中間の味(そんな風には感じませんでしたが)に変更し、さらにコーティーングを強化し、苦味感度(そんなものがあるそうです)が苦いと感じるまで溶かしてから5分以上になったと胸を張られました。
ちなみに「苦い」と感じる苦味感度は1だそうなんですが、従来品は最初から苦味感度が2から開始しており、「そりゃ苦いは」と納得できるデータであります。(そんなものは「売るな」と言いたい)

試飲会の結果

まずは粉のままのむことから始め、担当者は「これでも十分美味しくなった」と強調されておりました。たしかに最初に口に含んだ時の苦さは解消されましたが、舌に残る後味の悪さは明確に残り、当院職員一同の感想としては「良くはなっているがやっぱりまずい」で一致しております。
後は次々と準備したもので試していきましたが、結果をまとめておきます。
ましなもの 評価 ひどいもの 評価
牛乳 ☆☆☆☆☆ 麦茶 ××××
アイスクリーム ☆☆☆☆☆ ジュース ××××
ミルク ☆☆☆ 野菜ジュース ×××
ココア ☆☆☆ プレーンヨーグルト ×××
甘みの濃いヨーグルト スポーツ飲料 ×××××
カルピス ×××××
一致した感想としては牛乳がダントツの評価で、苦味はもちろん後味も全く気づかず最高の評価です。アイスクリームにふりかけて食べるのも評価良好、ミルクも大人が飲んでみる限りでは違和感は少ないものです。今回は用意していませんでしたが、コーヒー牛乳ならもっとも良い評価になりそうとの感触はあります。
ひどい方は悲惨の一言で、お茶やスポーツ飲料となると担当者の愛社精神をもってしても顔をしかめて、「少し合わないようですね」と必死に飲み下す姿は哀れを通り越して悲惨と感じております。