今年度の日本脳炎の予防接種が中止となりました
2005年5月30日未明に厚生労働省より緊急通達が発表されました。
山梨県の中学生が昨年7月、日本脳炎のワクチン接種を受け、11日後にめまいや頭痛を発症。脊髄(せきずい)を中心とする中枢神経に炎症が起きる「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」と診断され、人工呼吸器をつけるほどの重体に陥った。甲斐市調査委員会が今年3月、「ワクチンが原因の可能性が高い」との報告書をまとめ、予防接種後の健康被害に対して医療費給付を決める厚労省疾病・障害認定審査会も今月25日、市調査委の判断を追認、給付を決めた。
今回の中学生も、ワクチンとの因果関係は医学的に確定されていないが、厚労省は、過去に比べて極めて重い症状であることを重視。さらに、日本脳炎を媒介する蚊の駆除が進むなど環境が変化したうえ、日本脳炎のウイルスは人から人には感染しないことから、予防接種を中止しても患者は増えないと判断した。
いつもながらの突然の通達なんですが、これを受けて当院でも今年度の日本脳炎予防接種を中止にする事と決定しました。現在予防接種を予約されている方への中止連絡、また既に接種させていただいた方への連絡を順次行なっています。
今回問題となった急性散在性脳脊髄炎ですが、接種による発生頻度は100万人に1人程度とされ、これまでもワクチンとの因果関係ははっきりしていませんがいずれも数日の発熱で回復しています。症状としては接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、痙攣、運動障害、意識障害などで発症するとなっており、もし心当たりの症状があるようでしたら御相談ください。
再開の目途ですが、まだ情報不足でなんとも言えませんが、今後全面中止となる憶測から、改良型ワクチンの完成を待って再開する話まであります。情報が入手出来次第逐次発表させて頂きます。